聖なる獣のお伽噺 ⑦ 【渡辺哉一 Ⅱ】

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「うわあああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!! くそおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!」 ガンガンッ! ガンガンッ! 渡辺は悔しさと怒りに任せて、狂ったように、壁をチェーンソーで破壊し続けた。 もはや斬ると言うより、鈍器として叩き壊している状態だ。 チェーンソーのエンジンも切れている。 「ーー何やってるんだよ? 良い加減にしろキチガイ」 誰かが後ろから言う。 渡辺が、暁斗達が逃げた部屋から出て来て見ると、さっき逃げた筈のボクが扉の入り口に立っていた。 「どうした? もう逃げるのは、止めたのか?」 渡辺は問う。 「やめてないよ」 「あのガキを逃がす為の時間稼ぎか? それにしても、その格好はなんだ? どっから持って来た?」 「これで、いんだよ」 ボクは、ねむ子のナース服を身に纏っていた。 「……。まあいい」 「いんならいいだろ。追いかけっこの再開だ。来いっ!」 ボクは踵を返して走り出す。 「なんだか良く分からないが、いいだろう。乗ってやるよ? お前の誘いにーー」 ブイイイイイイイィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!! 渡辺はチェーンソーのエンジンを入れると、走り出したボクの後を追う。 
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