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眩しさに目がくらむが、じきに目が慣れる。
そこは展望レストランの跡だった。
テーブルは退けられて、周りには照明が。
当然だが、これを用意したのは渡辺だろう。
此処が奴にとっては、ラストステージなのだろう。
もう、闇に隠れて追い回す必要も無い訳だ。
逃亡してから、それほど経ってないだろうに、よく此処まで用意した物だ。
きっとずっとこんなアホな事を計画しながら、医療少年院でも暮らして来たのだろう。
昨日今日、思い付く事ではない。
コイツはずっと、こんな下らない殺人妄想で自分を慰めて来たのだ。
「さあ、フィナーレだ。此処でお前は終わりにしよう。その後で、あのガキだ」
ボクはバックの中から、メスを1本取り出し、渡辺を睨む。
「……ッ!?」
「そんな物で、俺に勝てると思ってるのか? ナース服にメスって、ハロウィンかよ?」
「お前に言われたく無い! レザーフェイスもどきが!!」
「ーーフン!」
渡辺はチェーンソーのエンジンを再び掛ける。
ブイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!
渡辺はチェーンソーを振り上げて襲い掛かる。
ボクは後退りしながら、避けて距離を取る。
なんとか躱せるものの、これでは埒が明かない。
ただ逃げているだけだ。
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