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「眼が見えなくても、やっぱりイケメンがいいの?」
よくそう聞かれることがある。
私の付き合う男がそれなりにイケメン揃いだからだろう。
そりゃいいに決まっている。
理由は簡単。
皆が羨ましがるからだ。
私らはいつも健常者を羨ましいと思っている。だから、こういう時くらいそうさせてもらってもバチは当たらんやろ。
だからワザと皆がカッコいいと言っている男の子を選んでいる。
そういう意味では外見重視だな。本当は顔にこだわりはないんだけど。
見えへんし。
もちろん、男の好みはある。
やっぱり私は体だな。背が高くてガタイのいい筋肉隆々の男。
顔はどうやっても見えないけど、体なら近くにいれば感じることができる。なんなら、直に手で触ってみればいい。確実にその存在を確認することができるから好きだ。
それとやっぱり声だな。低音でよく響くハスキーな声ならもうたまらん。なんや、おへその下がモゾモゾした感じになってくる。
障害者は性欲は無いと思っている人もいるみたいだけど、そんな事は無い。
そっちの機能は壊れていませんから。
ただ、皆それを必死に隠そうとしているだけだ。
世間一般は障害者は清く、正しく、美しく、密やかに生活しているものだと思っているらしい。
そして、大人しく、出しゃばらず、できれば貧しくあって欲しいと願っている。
だから障害者はそのイメージを大切に守らねばならない。
私はゴメンだけどね。
どうしても時々出ちゃうから、私が大阪出身なのはすぐにバレてしまう。
なるべく東京の言葉で話そうとするが、なかなか難しいもんだね。
大阪でいろいろ失敗してきたから、こっちでは本性バラさないように気を使っているんだけどな。
私は極端に友達は少ない方だけど、唯一の親友と言える幼馴染の静に言わせると、すごく嬉しい時とか、悲しい時、そして怒っている時には自然と大阪弁になっているそうだ。
私もまだまだ修行が足りんちゅう事やな。
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