3.蝶子:眼が見えなくてもイケメンがいいの?

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「眼が見えなくても、やっぱりイケメンがいいの?」  よくそう聞かれることがある。  私の付き合う男がそれなりにイケメン揃いだからだろう。  そりゃいいに決まっている。  理由は簡単。  皆が羨ましがるからだ。  私らはいつも健常者を羨ましいと思っている。だから、こういう時くらいそうさせてもらってもバチは当たらんやろ。  だからワザと皆がカッコいいと言っている男の子を選んでいる。  そういう意味では外見重視だな。本当は顔にこだわりはないんだけど。  見えへんし。  もちろん、男の好みはある。  やっぱり私は体だな。背が高くてガタイのいい筋肉隆々の男。  顔はどうやっても見えないけど、体なら近くにいれば感じることができる。なんなら、直に手で触ってみればいい。確実にその存在を確認することができるから好きだ。  それとやっぱり声だな。低音でよく響くハスキーな声ならもうたまらん。なんや、おへその下がモゾモゾした感じになってくる。    障害者は性欲は無いと思っている人もいるみたいだけど、そんな事は無い。  そっちの機能は壊れていませんから。  ただ、皆それを必死に隠そうとしているだけだ。    世間一般は障害者は清く、正しく、美しく、密やかに生活しているものだと思っているらしい。  そして、大人しく、出しゃばらず、できれば貧しくあって欲しいと願っている。  だから障害者はそのイメージを大切に守らねばならない。  私はゴメンだけどね。  どうしても時々出ちゃうから、私が大阪出身なのはすぐにバレてしまう。  なるべく東京の言葉で話そうとするが、なかなか難しいもんだね。  大阪でいろいろ失敗してきたから、こっちでは本性バラさないように気を使っているんだけどな。  私は極端に友達は少ない方だけど、唯一の親友と言える幼馴染の静に言わせると、すごく嬉しい時とか、悲しい時、そして怒っている時には自然と大阪弁になっているそうだ。  私もまだまだ修行が足りんちゅう事やな。
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