103人が本棚に入れています
本棚に追加
シューさんが、更に質問をする。
「十六歳です」
「ええっ!?」
声を上げたのはエミナさんだ。
「おおっ! エミナと同い年じゃないか!」
ショーさんが嬉しそうに驚いている。エミナさんもだ。
「あらあら、良かったじゃないエミナ。同年代の女の子よ」
リィンさんは、あっけらかんとしている様子だが、多分、喜んでいる。
「いやあ、この村には、この年頃の女の子が少ないからね。男手が多いのはいい事だけど、ミズキにとってはちょっと淋しいかなって。ね、ミズキ」
「ううん、セリスちゃんも居るし、アイちゃんも優しくしてくれるから……でも、嬉しい。この村の外で、そういう人と話したのは初めてかもしれないし、凄くかわいいし、美人だもん」
「あはは……美人……か……」
僕は男の筈なんだけど……複雑だ。
「で、ミズキちゃんはどこから来たの?」
シューさんが手を前に組んだ。
「えと……それが……どこからどう来たのか、自分でも分からなくて……日暮里のビルの上までは覚えてるんですけど……」
「ほうほう、ニッポリノ……?」
「あ、日暮里です。そこにビルっていう建物があるんです」
僕は直感的に、ビルが分からないんだと思い、言い直した。
「ニッポリという所なのか。ううん……ありそうな名前だけど、この辺りじゃないなぁ……それからは、どうしたの?」
最初のコメントを投稿しよう!