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「伝説の言い伝え?」
そうだとも、とコパ様は頷き、おばあちゃんはまた勝手に話し始めた。
「失われし食欲との絆を結び……ついに人々を旨き卓上の地に導かん…………………………」
「………あ、終わったの?
のりたまこは?」
「ここには無い! 探すが良い……伝説ののりたまこをぉぉぉぉお……!」
「丸美や! 大ババ様の事はわしに任せろ! 行け!」
白熱する年寄り2人に追い出されて、私は箸と茶碗を持って旅に出た。
いつか会えるはず。伝説ののりたまこに……。
しばらく歩くと、公園でピンク色の子ブタと黒猫とヒヨコが遊んでいた。コロコロとじゃれ合う3匹は、たまに降る謎の雨に濡れながらも楽しそう。
てか何で雨があそこだけ降ってるのかしら?
向こうで水を出しっぱなしで様子を見ている亀の仕業かしら?
それにしても、あの3匹……。
「なんて美味しそう……。まるで私のピンクのお茶碗に乗ったのりたまこだわ」
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