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女の人が突然、ストライプ鳥の喉を高速でさすり始める。
『クォォォォォオ!!!』
何かしら……ドキドキする。
とっても何だか、嫌な予感。
ストライプ鳥が真上を向き、『クンッ! グンッ!!』と言うや否や、カパッと口を開け頭を下げた。
その真下にセッティングされた、私のピンクのお茶碗。
「いやぁぁぁぁぁ!!!!」
『グェロェロェロェロロロ………』
「………さ、お召し上がりなさい。これが伝説ののりたまこ。私はこれで失礼するわ」
目の前には確かに出来立てののりたまこ。
いや、吐きたての、のりたまこ。
そのキラキラと輝く黄色の粒とパリッとしたノリは、その前の行為を見なければとても美味しそうなものなのに。
茶碗に適量に盛られたのりたまこを前に、食うべきか食わざるべきか、こんなに悩むなんて。
しかし、私の気持ちを嗜めるようにお腹がぐぅうと鳴る。
仕方ない……いざ、実食……!!
緊張でカタカタと震える箸と口。
しかし口に入れた途端、豊かな風味が大海原を駆け巡る早春の風のように私の中を吹き抜けた。
「……これが伝説ののりたまこっ!!」
美味しい!美味しすぎる!!
アアン! スゴイ! スゴォイ!!
こんなの初めてぇン!!
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