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「痛い…痛いよぅ」
またあの声が聞こえて来た。
午前2時を過ぎると小さな男の子の悲痛な声が聞こえる。
私の家は古い団地の四階で、今は一人暮らしだ。
「痛い…痛いよぅ」
また聞こえた。
最初に聞いたのは一週間前だった。
夜中に喉が渇いて水を飲みに起きて、部屋でボーッとしていたら、この声が聞こえたんだ。
空耳かと思っていたのだが、こうも続くとなると、どうやら私の勘違いでもないようだ。
「痛い…痛いよぅ」
声は上の階から聞こえた…
しかし、上には誰も住んで居ない。
だが上から聞こえたのは間違いなかった。
確かめてみよう。
もし本当に子供が居て痛いと言っているなら助けなくてはいけない。
気味は悪いがこういう時に一度確かめようと思うと、そうせずには居られないものだ。
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