第1章

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ある記者から、重大でかなり確度の高い情報を知らされた。 事故に遇われたお客様の中に、あの事故の原因は故障だと思う。 そう証言されていた方がいらっしゃったという。 確か、トラックの運転手だというお客様が居らっしゃったという記憶があるが、この証言がそのお客様だとしたら、この証言の意味は重い。 この証言に、国沢光宏氏のブログに書かれていた、削除されたという NHKの記事を重ね合わせると、やはりブレーキの故障が最も可能性が高くなる。 俺の前に書いた記事を確認して頂くと判るのだが、下り坂にかかる前のシフトは4速として、排気(エンジン)ブレーキを使いながら、土屋は下り始めた。 カーブではフットブレーキ(普通の足で踏むブレーキ)を使用しながら下ってきた。 しかし、途中でフットブレーキが効かなくなる。 多分、最初はアレッと思うだけだったと思うのだが、排気ブレーキの効きが悪いのかと思ったかも知れない。 それは、そこまでフットブレーキは効いていたからだ。 土屋がミスをした可能性があるのは、このブレーキが効かないと認識した時だ。 無理やり排気ブレーキで速度を下げようとして、シフトを切り換えようとしたのかも知れない。 しかし、以前説明したように、フィンガーシフトは入ってくれない。 この土屋のミスの可能性で、土屋が責任の全て負うべきなのだろうか? このミスがあったとして、その原因はブレーキの故障から起こっている。 土屋の選択は、事故を避ける為の行動なのだから、これを責める事が出来るのだろうか? 俺が土屋の立場だとしたら、やはり同じ事を試したと思う。 それで駄目だったら、ガードレールに擦り着けて止めるしか無い! サイドブレーキを使うと、坂道が急だから、横転する可能性が高いから、やはり選択はしにくいのだ。 土屋は、ガードレールに擦り着けた可能性もある。 事故現場の前のカーブで、ガードレールに傷があったと警察は発表している。 この書いている内容は、確かに俺の憶測だが、情報を当て嵌めると、この憶測はかなり事実に近いと確信を持っている。 この状況下で、精一杯事故を避ける努力をした土屋が、事故の全責任を負う。 これが正しいのだろうか?
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