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少し強めの風が吹き抜ける。
まだ1月の風は冷たく、制服にコートを着ていても寒くて身体が震える。
するとまた何かの気配を感じた。
公園の古ぼけたベンチの所に誰か…居る?
少しずつ近付いて行く。
白いワンピースを着た女の子がただ空を見上げていた。
「莉子…?」
名前を呼んでみる。
どうして莉子だと思ったのか分からない。
だけど何故かそんな気がした。
呼ばれた本人は少し肩を揺らし、こちらを向いた。
「…滉太、くん?」
驚いた顔で名前を呼んだ。
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