甘くて、優しい。

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もちろん、結婚なんて展開にでもなれば、狙ってるのかと言われそうな名前にはなる。 これまでの人生で名前ほど自分を振り回してきたものはないじゃない。 けれど、今はもうそんな事はどうでもよかった。この人のこの笑顔にまたふれたい。 裏腹に玉子は思い出してもいた。そんな純粋な気持ちを、この名前がジャマしてきた過去を。 そして気持ちを振りほどき、寒さで縮かんだ手をあえてポケットから出す。 『この話しはまた機会があったら!今日はありがとうございました。タクシー、もう少し先に行けばあるでしょうから!』
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