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でも、それが限界だった。
勢い余って抜け出したけれど、だんだん足取りも重くなる、
仕方ないんだ。
もともと弱っていたボクには、住んでいた村に帰るだけの力は残っていなかったし、あっても、帰り道なんて分からなかった。
死ぬ。
そう、覚悟した。
奴等が村に来なければ。
そうすれば、村で平和に暮らしていたのに。
ここで死ぬこともなかったのに。
これから死ぬボクの心の中を、激しい憎悪が支配する。
でも、それでどうにかなるわけでもない。
やがて、あてもなく、フラフラと歩くボクは、そのうちに倒れて動けなくなった。
ただ、最後に感じたのは、懐かしい、人間が作る料理の匂いだった。
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