7人が本棚に入れています
本棚に追加
私を…どこに連れていく気なんだこの黒兎…!
それに黒の女王様って誰の事なんだ
状況を飲み込めないでいる私の手を
引っ張り続ける黒兎…
片手に持ってる懐中時計を気にしているようだ
「ジカンガナイ!ジカンガナイ!
サンジノオチャカイ!
マニアワナカッタラ、オコラレル!
モットハシレ!アリシオン!」
…!?
なぜ、私の名前を知ってるんだ!
謎は深まる一方でその黒兎は
私を樹海の奥へ奥へと引っ張る…
左手を引っ張られ前屈みで走ってる私は
時おり転びそうになるがなんとか持ちこたえた
そんな状態で暫く走らされていると
目の前にぽっかり口を開いた茂みがあった
中は暗くてみえない…いったいどこに…って
私
(エレ・アリシオン)
「うわぁぁ…ッ!」
黒兎は迷いも躊躇いもなく私の手を掴んだまま
その茂みの穴の中に私を引き込んだ
落下中に私の左手が離され
私は背中を下に向けて落ちていく…
左手に持っていたビジネス鞄を離してしまった
私のビジネス鞄はそのまま私から離れ
下に向かう私の体とは対抗に
上に向かって行く…
それきり私の鞄は戻ってこなかった
私の体はただただどこかに向かって
背中から落ちていく…
私はここで死ぬのか…?
最初のコメントを投稿しよう!