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「…それよりさっきの怜くんって子。」
「どうかしました?」
一ノ瀬さんの神妙な面持ちに、何かを感じ取る。
「あの子…あんなに小さいけど、きっと小学三年生ぐらいじゃないかしら?」
「は?…そんなバカな事…」
確か今年五歳になる智史と身長も変わらないぐらいで、どうみても幼稚園年長ぐらいだろう。
「だって…その割に言葉遣いが大人びてたもの」
「え…?」
――そう言えばと振り返る。
確かに…幼児にしてはシッカリ話していたと。
「まぁ、あれじゃないですか?小柄な子って事じゃないです?」
「…だといいんだけど」
一ノ瀬さんはそう言いながら、ガキが去った方を心配そうに暫く見つめていた。
全く…あんなクソガキ、母親にこっ酷く怒られてしまえ!
この時、俺はそう思っていた――。
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