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命乞いをする様に課長に縋るが、私の意見は聞き入れられず、事務的に辞令を渡され席に戻された。
どうしよう……どうしよう……どうしよう……
頭の中は軽くパニック。そして、更に追い打ちをかける様に、私の周りに座っている同期から不満の声が漏れ始めた。
皆、私が受付に配属されたのが納得いかないんだ……
特に斜め前に座っている清楚なお嬢様風の女性が露骨に嫌な顔をして文句を言っている。
「ヤダ~なんでこんな人が受付なの? 受付って容姿も重要よね? こんな人が受付に居たら会社のイメージガタ落ちじゃない」
その言葉に同調する様な言葉が聞こえてきて、その一言一言が鋭いナイフの様に胸に突き刺さる。すると学生時代の辛い過去が蘇ってきて、心臓が苦しくなり体が震えだす。
だが、隣の麗美さんが張り上げた大声で一瞬にして震えが止まり、背筋がピンと伸びた。
「ちょっと! 文句があるなら茉耶ちんじゃなく、配属を決めた課長に言いなさいよ! 茉耶ちんは受付なんか希望してなかったんだからね。自分が希望を外されたのを愚痴る前に、なんでそうなったのか考えたらどう?」
「麗美さん……」
今までこんな事言ってくれる人、私の周りには居なかった。麗美さんともっと早く出会えていたら、私の人生は変わっていたかも……そんな事を考えウルウルしていたら、お嬢様風の女性が反撃を始めた。
「なんでそうなったかですって? 私がこの人より劣っている所なんて見当たらないんだけど」
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