百舌鳥の家

6/40
前へ
/40ページ
次へ
 保護施設は施設で大変だった。資格を持つ職員は僅かで、掃除や洗濯要員に若者が大量に雇用された。だが、その給料は安く、若者がやる気を出せる環境でもなかった。  建てられたばかりの施設はどこも綺麗だったが、直ぐに心身が不安定な子供に汚され壊された。これを安い金で雇われた若者が処理するのだが、子供の汚す早さは掃除や修繕を上回った。  そのうち、真面目な若者ばかりが仕事をし、その負担から心を病んだ。雑用要員は頻繁に入れ替わり、雇用の安定にも疑問が投げられた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加