百舌鳥の家

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 それでも、施設の運営は続いた。食べるものすら与えられず亡くなるよりは、子供も幸せだと。車に放置されて苦しみながら亡くなるよりは、子供も幸せだと。  昔話には、親も食べられないが故に子供を捨てる話が複数ある。だが、保護対象は「親は充分に食べ趣味にまで金を使いながら、飢餓状態に陥ってしまった子供」ばかり。  貧困対策に金をばら蒔いても子供には回らなかった。そんな家庭から子供を保護し、必要な栄養をとらせる。  しかし保護の必要な子供程、与えもしない親を庇った。付け焼き刃の知識では子供達を落ち着かせることなど出来ず、保護施設は日に日に荒れていった。
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