百舌鳥の家

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 そんな中、保護施設を回っては子供を黙らせる者が現れた。その者は中背の女性で、いつもゆったりとした服を身に付けていた。柔らかなスカートは踝まで隠し、服の下から覗く肌は少なかった。また、常に柔らかな笑顔を浮かべていると評判で、女性を呼ぼうとする保護施設は増えていった。  その女性が訪問するまで、話すら聞かなかった子供。座り続けることを拒否した子供。何かにつけて叫ぶ子供。大人からして扱いにくい子供の全てが、その女性と目を合わせた後に大人しくなった。
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