Scene2

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自分の身近に死を選択出来るところは無数にある。今歩いているここもその一つだ。 少し横に逸れて、1m程下に敷いてあるどこまでも続いている二本の鉄の上にタイミングよく飛び降りれば、一度で何百人もの人を移動させてくれる乗り物がこの体を粉砕してくれるだろう。 携帯のニュースにこんな見出しがあった。午前六時三十六分頃JR山手線の駅で人身事故が発生したため、一時上下線で運転を見合わせ。最大で六十分の遅れが発生し、二万五千人に影響した。 毎日のようにこんなニュースが書かれる。そして、それと同時にそのニュースについて、第三者の意見を今では書くことも見ることもできる。 ・山手線止まってんじゃん。最悪!完全遅刻だわ。 ・うわー、ありえない。せっかく早く出てきたのに意味がない。 ・こんな朝っぱらから自殺って誰よ。 ・本当に迷惑。死ぬのは勝手だけど、関係ない人を巻き込まないで欲しい。 ・何故電車を選択するかなー。迷惑極まりない。 ・死を選ぶ勇気があるなら生きましょう。
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