Scene 3

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 顔のすぐ横にある携帯のホームボタンを押す。カーテンを年中締め切っている為、照明をつけなければ基本暗い。  日が出てきているのだろう。カーテンの隙間から少し光が漏れている。  薄暗い部屋に携帯の画面の光が映る。少し眩しく薄目で時間を確認する。アラームがなってから既に5分が過ぎていた。  あーあと三分後に聞きなれたアラーム音がなる。そう思いながら目を再び閉じる。 いつも二度寝を想定してアラームをセットする。この二度寝が自分にとって最高の至福の時である。  びーびーびーびー。  聞きなれたアラーム音が鳴る。余計なことを考えすぎたか、結局いつもの至福の時間を満喫できなかった。まあ、しかし、いつもよりは普通に起きれそうだ。  スっと起き上がると、バイトの出勤時にしか着ない、裾を擦りすぎてボロボロになったズボンと中学の時に先輩からもらったグレーのいかにも中学生って感じのパーカーを着る。  バイト先で着替えるし、バイト先まで徒歩5分の距離だ。わざわざオシャレをする必要もない。 重要なのは、起きてからいかにすぐ家を出るかだ。 化粧の必要がない分、ギリギリまで寝てられる。それが男の特権。こんなどーでもいい持論を飲みの場で話したことがある。  ただ、高校の時からの友人の裕二からは、それを差し引いても、その格好で外を出ようとする神経が考えられないと言われたことがある。  普段は、もっとちゃんとしてると言い返したが、内心はちょっとショックだった。それでも、直す気はなく、今も同じ格好で出勤している。
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