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――藍沢友章、秋葉光太郎。
その名簿のように産まれた時から十八歳まで俺と藍沢はぴったりとくっついていた。
二人の関係に決定的な変化が訪れたのは高二の夏、藍沢に同級生の彼女ができた時からだ。
俺はずっと藍沢の事が好きだった。体が大きく誰に対しても思いやりのある藍沢は、俺が困っているとそれを訴える前に気づいて手を差し伸べてくれた。反対に小柄で気が弱かった俺は、苛めやからかいの対象になりやすいタイプの人間だったが、そうならなかったのは藍沢のおかげだろう。常に傍にいる藍沢が、目に見えないシェルターのように温かく自分を守ってくれた。それが当たり前すぎて、長い間、藍沢の優しさに気づく事さえなかった。
好きだと認識した時、初めは友情だろうと思った。あまりにも近く一緒にいすぎたために家族のような愛情が生まれたのだと、そう思った。実際に藍沢の家族に対して自分の家族と同じような親しみを感じ、このままずっと一緒にいられたらと、居心地のいい時間が永遠に続く事を願っていた。
友情ではない――。
それを強く認識したのは、俺が藍沢に対して友情だけでは片づけられない強い衝動を感じたからだ。はっきり言葉にするとそれは性欲だった。
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