第1章 うつら

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「夢ながら凄いな」 息が上がり、汗が噴き出している。 葵君が口を開いて、溜めたモノを見せた後、ゴクリと飲んだ。 「夢の中の僕には飲ませるんだね」 「夢だからな」 「ねぇ、ファントム、夢の中の僕と現実の僕、どっちがいい?」 「どちらも捨てがたいね」 「夢の中の僕なら、あなたのやりたい事は何でもさせてあげられるし、して欲しい事は何でもしてあげられるよ」 「現実の君はなかなか思う様にならないからな」 「そうだよ。現実の僕はこんな事、進んでしてくれないし、しても、あんまり上手くないしね」 「そうだな」 「そのクセ、兄さんと寝るような淫乱なんだ」 「黙れ」 「怒らないで。僕なら、あなたしか愛さないよ」 「これは私の夢だから、君に愛してると言われたとしても、自分の願望がそう言わせてるだけだ。虚しいね」 「あなたは、あなたの見る夢以上に美しいものはないと思ってる。そうだよ。あなたの夢は現実よりも美しいんだ。昔からね」 「現実の君より、夢の中の君の方が美しいというのか」 「そうじゃないの?ねぇ、ファントム、乱暴に僕を抱いてよ。そうしたかったはずだよ?」 葵君は私に手を伸ばし優しく握った。 「ねぇ、コレ入れて、僕を滅茶苦茶(めちゃくちゃ)にして……」 私はどうせ夢なのだから遠慮する事はないと思う。 現実の葵君には出来ないような無茶(むちゃ)な抱き方をすればいい。
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