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三人は思案に暮れた。なかなかいいアイディアは出てこなかった。
おもむろに男性の方が立ち上がると、会話が聞こえないぐらい離れた場所に
やす吉を引っ張っていった。
「ねえ、やす吉さんが判断できないんだったら、聞きに行ったらいいんじゃないですか?
いるんでしょ、上の人が」
「そりゃいますけど…」
「聞きに行くフリだけでいいんです、そして私が『死後の国』に行かなければならないと
決まったと言ってくれれば…」
「わてら案内人は死ぬ人間からは離れられへんのですわ、それに…」
「それに?」
「彼女、いや彼はそんな芝居じゃ納得せえへんやろ」
「そうね、…じゃあこんなのは?」
二人がそんな会話をしている最中、女性の方は一人考えていた。
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