死後の国への分かれ道

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(香奈枝を納得させて生き返らせる方法はないのか?) 「そうだ、これだ!」 閃いて思わず声を上げた。そして 「やす吉さん、ちょっと話があるんですが…」 と離れていたやす吉を手招きして呼んだ。 男性の方との会話を中断してやす吉がやってきた。 「香奈枝からいいアイディア出ましたか?」 「確定やないけどな…」 「そんなのより、僕のアイディアでいきましょうよ」 「どんなんでっか?」 「僕が生き返ることにして下さい」 「えっ!?」 やす吉は目を丸くして驚いた。ちょっと異常なぐらいの驚きかただった。 「そしてやす吉さんは香奈枝を連れて現世への道に進んで下さい。 僕が反対の道を進んでいけば、香奈枝はそっちが現世への道だと思うでしょう。 香奈枝を現世に送り届けたら、やす吉さんは僕のところに戻ってくればいい」 「なかなかいいアイディアでしょう、うん、これでいきましょう」 まだ驚いた顔のやす吉が言った。 「あんさんがそう言うなら…」
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