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「ねぇ、おきてよ。」
子供特有の高い声が聞こえ目を開けると、俺の部屋に小さい女の子が立っていた。...4・5歳のその子はどこかあいつに似ている。...ってか誰だこいつ。
「こんな じかん まで ねてたら、もったいないよ。」
「...悪りぃちょっとそんな気分じゃないめっちゃ眠い。」
「え~。ねぇ いっしょに あそぼ。」
「昨日遅番だったんだよ勘弁してくれ。本当お願いします。」
舌足らずな言葉は鮮明に頭の中に入ってくる。話をしているうちに目が覚めてしまった。
今日は1日グダグダしていたかった と、ため息をひとつつく。
「あ~!ためいき すると しあわせ にげちゃうんだよ!」
「知るか。」
ってか本当誰だよこいつ。...なんで俺の部屋にいるんだろう?どうやって入ってきた?...あいつの親戚か?
「お前、名前は?」
「な~ま~え~?なにそれ?」
...まじかよ。
「どうやって此処に来たんだ?」
「ふふっ、わかんな~い。」
何故笑ったし。もう子供わかんねぇ。とりあえずあいつが帰ってくるの待つか。
「あ。なにこれ?」
「え?」
部屋の隅に置いてあった箱の山が徐々に崩されていた。いつの間にそっち行ったんだよ。ちょっと待てや。
「ちょっとそっちはやめようぜ。な?」
「え~。...これなに?」
箱の山の中に埋めておいたものが顔を出してる。...こいつになら言ってもいいか。
「オムツとか、服とか、...おもちゃとかだよ。あいつには絶対言うなよ。」
「だぁれ?」
「俺の嫁さん。プレッシャーになっちまうだろうし。」
「ふぅん?」
「...よくわかってねぇだろ。」
「ん~わかんない!」
こりゃダメだ。ケラケラと笑う様子を見て、ため息をひとつつく。
「...わかった。じゃ、これは俺とお前の秘密だ。誰にも言うなよ。」
「うん。わかった!」
「...ちょっとこれ元に戻すから、お前はそこで待ってろ。」
「...はぁい。」
不満そうに部屋の中央に座り込んだ姿を見てから、山を元に戻す。
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