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2人で公園を眺める。ほとんどが母親とその子供だ。...もしかして...
「...母親と来たかったのか?」
「え?」
「俺じゃなくて、お前のお母さんとかと遊びたかったんじゃないか?」
「...わかんない。」
ふわりと笑った顔はどこか寂しそうだった。
「...そうか。」
「おもちゃ、あった。」
「え?」
「へや に。」
「あぁ...もう直ぐ、子供が生まれるんだ。あいつ今それで入院しててさ...」
...あれ?そういえばあいつ帰ってこないじゃん。...まぁいいや。家に帰ったら電話しよう。
「すき?」
「え?...まぁ、あいつと結婚するくらいだからな。」
「そうじゃなくて、あかちゃん すき?」
「今度生まれるやつか?そりゃもう、覚悟しとけって感じだな。たくさん愛してやる。そいつがもういらないって言っても愛し続けてやるんだ。俺の嫁さんと今度生まれてくるやつの幸せが、俺の幸せになんだからよ。」
「...じゃあ そとの せかいが こわい っていったら?」
「そいつがか?...俺が守ってやるよ。楽しいことも、悲しいことも、辛いことも全部分け合って、支え合っていくのが家族ってもんだろ?」
...しまった。喋りすぎた。めっちゃ恥ずかしい。ふと隣を見ると、嬉しそうに笑っていた。そいつがいきなり光りだす。
「え?」
「ありがと。そとの せかいが たのしみに なってきた。」
「は?え?ちょっ...」
「あと おもったよりも やさしそうで あんしん した。」
「え?なにが?は...?」
光が強くなってきた。眩しくて手で目に影を作る。消える瞬間、そいつの声が聞こえた。紡がれた言葉に目を見開く。瞬間、視界が光に包まれた。
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