そとの せかいへ

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生まれたての赤ん坊の泣く声で目を開けると、病院の廊下の椅子に座っていた。...さっきのは夢か。 ...そうだ。あいつは? 「おめでとうございます。元気な女の子です。」 看護師か誰かがやってきて俺にそう言った。 「...会えますか?」 「えぇ。もう大丈夫です。」 その声を聞き終わらないうちに駆け出す。 部屋に入るとあいつが横になってた。ホッとする。 「...頑張ったな。頑張ったよ。ありがとう。」 それしか言えない自分がもどかしい。それを聞くとあいつは笑いながら眠りについていった。さっきの看護師が片付けながら口を開いた。 「今回は大変でした...赤ちゃん全然出てこなくて...」 「そうなんですか?」 「えぇ...でも先程自分から出てきたので...よかったですね。」 「あの...子供見ても良いですか?」 「良いですよ。抱っこしますか?」 「え?...あっ...はい。」 抱っこして顔を覗き込むと、夢で見たあいつな気がした。 「...また会ったな。俺が父親だからな。覚悟しとけよ。」 笑みが溢れる。さっきの夢の最後に言われた言葉を思い出す。
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