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巡回を始めて直ぐに。
「看護師さん!!」
そう呼んできたのは、ナースコールをよく押すおばあちゃんだった。
「どうしたんですか?」
「私のベッドでまた寝てる!?」
またか~っと思った私はおばあちゃんの部屋に入り声をかけた。
「原田さん!」
「はい。」
「原田さんのお部屋は此処じゃありませんよ!!」
「違う?じゃー私の部屋は何処ですか?」
「この列の1番奥ですよ。」
「わかりました。」
こんなやりとりが毎晩続いていた。
巡回は1時間に1回だけだ。
眠剤薬を渡す前に私はナースコールを頻繁に鳴らすおばあちゃんの部屋を訪ねた。
「嶋田さん。お変わりありませんか?」
そう言って私は嶋田さんの部屋の扉を開けると、丁度嶋田さんがトイレから出てきた。
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