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私は直ぐ様に嶋田さんの部屋から出たかった。
正直気持ち悪いと思ってしまい私は、嶋田さんがベッドに座る迄見守り部屋を出た。
「看護師さん!!」
私が部屋を出て直ぐにまた嶋田さんに呼ばれてしまい私は嶋田さんの部屋の扉を開けて。
「何ですか?」
「明日何時に起きたら良いですか?」
「7時に起きてください!」
「7時ですね?」
「そう!!」
「はい。ありがとう。」
「おやすみなさい!」
「おやすみなさい!」
嶋田さんの部屋から今度こそ解放された私は引き続き巡回を再開した。
何部屋か行き問題の徘徊する原田さんも無事に寝てるのを確認すると安心した溜め息を吐いた。
そして次の部屋に向かっていると
「看護師さん!」
また嶋田さんだ。本当にしつこい…。
こんな事を思っていては駄目だと解っているがつい思ってしまう。
「良い加減にして下さい!!」
私は少し怒りながら振り返った。
………でも、そこには誰も居なかった。
嶋田さんも、原田さんも誰も居なかった。
私は更に背筋がゾクゾクと震えだし、逃げる様に詰所に帰った。
後日、ベテランスタッフから聞いた話しでは嶋田さんの部屋で昔おばあちゃんが亡くなったそうだ。
私は今でも耳に残っている。
あの日、私を呼んできたおばあちゃんの声が………。
『看護師さん!』
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