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一気書きクオリティ。自キャラのSSです。
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キスキス・スキス菌
真夜中目が覚めて、隆良(たから)は寝ぼけたままネットのニュースを見た。
スマホにはたくさんのアラートが出ていて、思わず画面をタップしてしまったのだ。ニュース記事にあるそのウイルスの名前にくすっと笑う。
キスしないと死んじゃうなんて、今でも十分そうだ。
キスしないと死んでしまう。
キスしないと息できない。
ベッドの上で丸くなって眠っている咲田の顔をこちらにむかせて、その唇にキスした。わずかに開いていたたとえようもなく魅力的な隙間に舌を優しくいれると、咲田は眠ったままの無意識で、少しだけ吸ってきた。どうしようもなくかわいい。
しばらく舌どうしで、まどろみの中を遊んで、やがて咲田の舌が反応しなくなると、ちゅっと音をたて、はなれる。
隆良はそのまま咲田の隣でもう一度目を閉じる。
好きな人とキスしないと死んじゃうなんて、俺らには何の関係もない。
だっていつだってキスできるし、そもそもキスしないと死んじゃうから。
「これは確実に感染していますね。24時間以内に一番好きな人の唾液を摂取してください」
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