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「このままだとちょっと手を抜いた感じがするし、布に色を付けるとか、何か手を加えた方がいいと思うけど」
「そっか、うーん、何がいいかな。絵具で描くよりも、もっとさっぱりした雰囲気がいいんだけど……。あ!」
そう悩んだ後、沙織は離れて作業していた七瀬に大きな声をかけた。
「七瀬ちーゃん、前に水面みたいな不思議な柄のハンカチ持ってたよね? 自分たちでもあんなの出来るって言ってなかったー?」
巨大展示物の準備で段ボールにカッターを入れていた手を止め、七瀬はこっちにやってきた。
「うん」
うなずいて呟くように伝えると、沙織は七瀬と話し出した。
「ね、それって、簡単にできるんだよね? そのインクってどこにあるの?」
「駅の近くにある文房具屋さんに売ってる」
「そっか、じゃ、今日買いに行くね! なんていうインクなの?」
「マーブリング用っていえば、お店の人が教えてくれるよ」
七瀬の言葉を聞いて、心臓が締め付けられた。
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