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相変わらず七瀬は自分のことを包み隠さず書いて送ってくる。
好きな人のこと、テストの点数、家族のこと……。
あまり自分のことを伝えることが得意でなくなった俺は、その素直さが羨ましかった。
それと同時に女の子をのぞき見しているような、どこか申し訳ない気持ちを持つようになり、返事を返さなくなっていった。
一年以上も手紙が来ず、七瀬の存在が薄れかけてきた頃、卒業を迎えた。
卒業式を終えた後、家に帰ると七瀬からの手紙が届いているのに気が付く。
『お久しぶりです。翼ちゃん、元気ですか?』
そんな文章から始まり、しばらく空いた時間のことが述べられていた。
ずっと伸ばしていた髪を短くしたこと、犬を飼い始めたことなど何気ないことが伝えられ、勢いある字になぜか気分が落ち着いた。
しかし、ある一文に辿り着くと、思わず体中が冷えた。
心臓が早打ちするのを感じながら、手紙を再び読み返す。
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