第3章

15/38
前へ
/281ページ
次へ
 その時、姿見に写った私を見た。  すっぴん・カラコンなし・普通のメガネ・モコモコシューズ・パジャマ姿……  銭湯の時にすっぴんは見られたから平気だよね。パジャマは銭湯の時も着ていたものだし。  嫌、カレカノになったら違うの?これって、気を抜き過ぎてるの?社会人って学生と違うよね。  子供っぽいって思われないかな。今から薄く化粧をした方がいいの?  でも、もう11時を過ぎてるし、大河が来る頃は日付だって変わりそうな時間だし……  それよりもどうやって家から出たらいいの?深夜のケーブルテレビで放送している韓流ドラマを見る為に母はまだ起きていた。どこが面白いのか全く分からないが、母は録画もせずに毎回リアルタイムで見ていた。夜中に外出したことなんてないんだけど!  どうしたらいいの!!!!  あーーーー!!!もうパニックだ。  恋愛を休み過ぎてどうしたらいいのかさえ分からず混乱した。  でも、大河に会いたい……  まだ付き合って数日だけど……  ギータもいるゴミ屋敷に住んでるけど……  匂いで下着を洗ったか否か判断させる変態だけど……  オシャレなレストランでも大口で食べてしまうけど……  30くらいって言って誤魔化す32歳のおじさんだけど……  ん?あれ?こっちに引っ越す時30歳って言ってたアパートを借りたって言ってたけど。まっ、いいか……  とにかく好きか否かなんて分からないけど、今はただ、ただ、会いたい……
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

170人が本棚に入れています
本棚に追加