第3章

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 着いた先は24時間営業のファミレスだった。 「ごめんなさい。パジャマだからちょっと恥ずかしい……」  私は降車しようとする大河を止めた。大河を待っている間に着替えれば良かったのだが混乱した私はバッグを抱き締め玄関のホールに丸くなって座っていた。 「そっか。じゃ、ちょっと移動するよ」  次に到着したところはコンビニの駐車場だった。コンビニのライトのおかげで車内も明るかった。  大河は停車すると、体を捻ってリアシートから何やら取り出した。 「ごめんね。気が付くの遅くなって」  私に手渡されたものは、(くだん)のパンフレットで、それは所々波打っていた。 「湿ってるみたい?」 「拭いてきたんだ。ほら、ゴミが入ってたからね。あっ、ゴミって言ったら悪かったかな?」 「いえ、大丈夫です。掃除機を中をガバッとだしたから殆ど埃だったし……でもまだ家にありますよね?」 「さっき気が付いたからまだあるけど、でも袋に入れたから月曜日に捨てるよ。いい?他のは今朝、燃やすゴミも燃やさないゴミも資源ゴミも全部出した」 「はい……」  大河は私が持っているパンフレットに目にして「それはマナちゃんが初めてくれた大事な物だから仕舞っておくからさ、その、そろそろ機嫌治してくれないかな」と、左手を伸ばし私の手を取った。
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