第3章

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 数分後、私の家のガレージの前に着いた。 「じゃ、12月の土曜日ね」と、大河はそう言った。 「はいっ、空けて待ってます」と、私も応えた。  私は車から降りて運転席に廻ると、大河は窓を開け、お互い「充電」と言いながらしばらく抱き合った。そして、その日は別れた。  私は名残惜しく車が見えなくなるまで見送った。  12月まで会えないと思ったから!3週間は会えないと思ったから!しかーし、その考えは甘かった!  母が「鬼っち」とあだ名を付けて、大河のことを気に入っていたのは知っていたが、まさか2人が連絡先まで交換しているとは知らなかった。  2日後の土曜日……  姪のすずの誕生日に大河はしれっと参加していた。 「えっ!どうしてここに大河がいるの?」  お義兄さんの実家の菊池家にいた大河を見て私は固まった。 「あら、鬼っち、早かったわね!」母はにこにこと笑いながら私の方へ振り返り「私が誘ったのよ。あんたが3週間も会えないって寂しそうに言うから、鬼っちに電話したの。どう、サプライズ?」と満足そうだった。 「こんなの、サプライズって言わないで、ハプニングって言うの!もう、ヤメて……」  あの日の感情を思い出すと恥ずかしさの余り赤面しそうだった。  しかも私達(父・母・私)が到着する前に大河は菊池家の方々ともすっかり打ち解けていた。
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