第4章

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「と、まぁ、そう言う訳なのよ!これって揚げてるよね?カロリー高いよね」と、妊婦の優羽が体重を気にして、つまみを睨みつけながらこれまでの私と大河の経緯を話した。 ……ここは12月中旬の女子会である。 「それ、もうリーダーと付き合ってるんじゃないの?マナが付き合うんだったら、イケメンの誰だっけ、名前忘れたけどあの人じゃなかったら、和月かと思ってた」  櫻子が唇を尖らせぎみで話した。 「転勤に付いていくの?仕事は辞めるの?あー、すみませーん、同じ物、えーっとカフェラテ1つお願いします。はい、ホットで。みんなは追加はいいの?」  千春が空になったコーヒーカップとソーサーを渡し、2杯目のカフェラテを店員に頼みながら言った。 「どうしてここで和月が出てくるのよ?」と、私が言うと櫻子は「だって呼び捨てだし、1番よくしゃべってたじゃない?」と言う。  横から千春が「和月って同級生だよね。あの人ってさ誰とも仲良いよ」とメニューをテーブルの端に立てかけながら言った。 「確かに小柄だし気安くて一緒に居て楽だね」と、私が言うと「こらこら、マナはリーダー以外を褒めないのって、言うか付き合ってまだ1ヶ月ちょっとの今くらい惚気ていいんだよ」と優羽がニヤケて言った。 「あのね、付き合うって言ってもまだ数回しか会ってないんだよ。12月なんて会ってもほとんど家の掃除と洗濯だけなんだから。 仕事を辞めてまで赴任先に着いて行く気はないよ。向こうだって、そう思ってるよ」  私はこめかみに若干青筋を立てながら言った。
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