第4章

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「本当の所、リーダーは何て言ってるの?」  自分の人生は自分次第と言う考えの千春がカフェオレをふぅーと息を吹きかけ飲みながら聞いてきた。 「別れたくないって言われた……」  私は2杯目に頼んだチャイナ・ブルーを1口付けて素直に答えた。 「体裁はいいから、マナの本音は?正直、どうしたいの?」  千春が続けて言った。 「私は……分からない。昨日今日で、どうしたら良いのか分からなくて混乱してる。 昨日は終わらせようって思ってたけど……」  それから私は言葉に詰まった。  聞いたばかりの時は100パーセント終わらせる気でいた。  でも今は90パーセントくらいになっていた。  それでは10パーセントの気持ちは何かと問われれば自分自身にさえも説明出来ないでいた。  遠距離恋愛を本気でするのかと自問自答してみれば否定をするし、仕事を辞めて一緒に行くかと聞かれれば そんな私だけ危険な選択肢はありえないと答えるだろう。  しかしたった1日で僅かだが気持ちに変化があったことは認めざるを得なかった。  私の本音は…… 「行かないで欲しいの……かな……分からないけど」  私は俯き加減で極小さな声でボソッと言った。 「それ言ったの?」  千春が「熱ーっ」とカップから外すとミルクの泡が減ったところから湯気が昇り、はぅっと口を少し開けて息をしながら聞いてきた。 「言うわけないよ。言った所でどうすることも出来ないんだから」
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