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「言ってみないと分からないんじゃない?」
千春は溜め息をつきながら言った。
「まあまあ、とりあえず落ち着いて。
今日明日に結論を出さなくていいんだから。
ゆっくり考えて、ね!」
櫻子が執り成そうと口を挟んだ。
「そうよ、うちなんてさぁ、この人なんでこんな事も出来ないのって、何度嫌になったことか……
そして、それを言って喧嘩になってもう何回も別れようっと思ったことかって。
結婚前から洗濯は私がしてるんだけど、使った靴下は丸めないで脱衣籠の横の下着置きに伸ばして入れてって言っても、ソファの背もたれの下に丸めて置いてるし、ワイシャツのポケットには何も入れないでって言っても、爪楊枝やボールペンが入ったまま脱衣籠に入れられるし……
どうして出来ないのって、文句を言ったら、俺とお前は違うんだとか言われてさ。
あー、もう嫌と何度も思ったよ。
キチンとした人がいいと思ったよ。
でもね、でもね、こんなだらしない姿を見せられるのは私だけかと思ったら、キュンとしてね……」
あの……優羽さん?
私が言わなくてもみんな分かってるから言わないけど、光は誰から見てもだらしないよ。
しかもそれ…自らダメンズ好きって認めちゃってるよ。
私をどう説得しようとして言ったのか分からないが、優羽は熱弁を振るった。
優羽は最後に「相性っていうか、縁みたいなのって誰にも分からないよね」と言った。
やっと優羽が言いたいことは分かったんだけどね……
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