序章

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 ーー師走  忘年会シーズン真っ盛りのこの時期。緑のボードには所狭しと言わんばかりに沢山の予定表が貼られていた。  参加するのに丸を、会費を払った人の名前の横には幹事の印鑑を捺すようにと、あった。  フロア全体、各部署、チーム単位、同期会と……  毎年何回忘年会をさせるつもりなのか。  フロア全体の忘年会の会費は会社側が全額負担してくれるらしい。つまりこの日は絶対参加……と書いてはないがヤンワリ主張していた。  その中にひっそりと端に紛れ込むように忘年会とは全く関係がないことが書かれた白さが際立った紙が1枚混じっていた。その色と三つ折りにされた跡が此処で印刷された物ではないことを証明していた。  1人の男がその紙をぼんやり見ていた。
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