第4章

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「私、無理してないですよ」 意味不明の質問に答えた為、私の声は低くなった。 「うーん、じゃ…… 僕が行くところに付いて行こうと思うのは何故?」 大河は少し考えるようにして質問を変えた。 「一緒に居たいから……?」 「じゃ、どうして一緒に居たいのかな?」 質問に質問で答えると更に質問が飛んだ。 大河は何が言いたいのだろう。 まだ不安なのだろうか? 早く不安を取り除いた方がいいような気がした。 「一緒にいると楽しいからですよ」 私は質問で返さず言い切った。 「どうして楽しいのかな?」 まだ質問が続くのか…… 光は昨日どれだけ話を盛ったのだろう? っと、思った時だった! 分かった! 「鬼木さんが好きだからです」 私は少しばかり声が大きくなってしまった。 「はい、よく言えました。 今日はマナちゃんから言えたね。 僕もマナちゃんが好きだよ。 じゃ、また夜ね~」 そうか……今日は私から先に「好き」と言わせたかったのか。 アメリカは関係なかった…… 昨日の朝よりパワーアップしてるじゃん。 この人はどれだけ「好き」と言わせたいんだ。 もしおはようございますの前に言ったらどうするんだろう? そうだ!明日の朝はそうしよう。 まだ私が知らない大河の一面が見られるかもしれない。 光の気持ちが分かるようになっていた私は害のない悪戯を考えるのが楽しくなっていた。 この時はまだ夜の電話はいつも通りお互いの今日の出来事を話すのだろうと思っていて、更に明日の朝の電話はそれどころではなくなるとは思ってもいなかった。 しかもそれが最大級にどうでもいい事なのに入籍にまで影響するとは想像すらしていなかった。 通話を終えて私は下に降り、今年最後の大掃除を始めた。
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