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ゴリラ・トレッキング終了
田中はマウンテンゴリラのボス・シルバーバックと向かい合い、ボクシングの構えをした。シルバーバックも、田中と同じように構えた。
田中「な、このゴリラは、ボクシングができるというのか!!シュッシュッ!!」
シルバーバックは、草丈が腰まであるというのに、華麗なステップを踏んで田中のジャブをかわし続けた。
田中「完全に遊ばれてる!!地区大会優勝のこの俺が、ゴリラに翻弄されている!!」
シルバーバックは、上体を左右に揺らしながら、田中のパンチを避け始めた。
田中「こ、この動きはデンプシーロール!!ゴリラがデンプシーロールをするなんて!!」
シルバーバックが田中の右ストレートをかわして、田中の顔面に完璧な右ストレートが入った。
田中「グワアアアア!!」
田中の悲鳴が聞こえた。
安藤「田中が殺られた!!」
私は思った。「田中、殺られるの早すぎ」と。
たぶん、安藤も思ったはずだ。
現に、シルバーバックは、私達のすぐそこまで迫っていた。
安藤「な、このゴリラ速すぎだろ!!」
「ギャアアアア!!」
安藤は、シルバーバックの左フックをもらって死んだ。
私「うわああああ!!」
私は後ろを振り返らず、無我夢中で走って逃げた。
私「何がゴリラを見たら癒されるだ!!いい加減なこと言いやがって!!ゴリラ・トレッキングなんかに来るんじゃなかった!!」
それから、しばらく走り、私は息があがって走れなくなって歩き始めた。どうやら、シルバーバックは、追いかけて来ていないようだった。
私「ハアッハアッ助かった。」
気がつくと、私の前に道はなく崖だった。
私「なに!!ここからまた、あのゴリラの所に引き返さないといけないのか!!」
私は絶望して、深い溜め息を吐き、仕方なく後ろを振り返って元来た道に戻ろうとすると、シルバーバックが立っていた。
私「な、いつからそこに!!」
シルバーバック「二足歩行を見られた以上、生かして帰すわけにはいかない。」
私「歩くだけじゃなく、喋るのか!!まるで、猿の惑星みたいじゃないか!!」
シルバーバックは、拳を握りしめ、私に向かって歩き始めた。私は崖っぷちまで後退りした。
私「ホゲエエエエ!!」
私は成す術もなく、シルバーバックに殴られて崖から墜ちた。
私「ゴリラ・トレッキングなんかに来るんじゃなかった・・・・。」
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