1月26日 田端

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 想いを揺らしながら、西日暮里に着く。西日暮里に着く頃には空は夕闇が一面を覆い尽くし、夕日が最後の光を小さく輝かしていた。  西日暮里駅を跨ぐ形に曲がり、田端に向かって違う道を歩き出す。この道は昔に一回だけ通った道。もう、笑みなど微塵もない表情で歩いていく。頭の中にあるのは初恋の人のこと。初恋の人とは中学卒業以来会ってなく、電話も高校時代に2回しかしていない。今のあの子がどうなっているのかも、私は知らない。  だが、そんなあの子に今も私は苦しめられている。いや、正確には思い出にっと言った方が正しい。告白して振られてから6年。人生の3分の1もの時間、あの子のことが忘れられない。振られてからのあの子との物語が卒業まで続いたからか、それともただ単に割り切れてないのか、分からない。  
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