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そこから暫く歩いていくと、とある自動販売機にたどり着く。高校時代、よくここで安いスポーツドリンクを買うのが日課だった。久方ぶりにお金を入れ、ボタンを押すとルーレットが回り始める。出てきた飲み物を拾い、ルーレットが終わるのを待たずにその場を後にする。ここで当たったことがないからだ。
そして、身近な街を歩きながら独り言を呟き始める。私は深く考え事をするときは自分に言い聞かすように独り言を言って考える癖がある。将棋もそうしていたが、暗号のように言っていたので分かりようもない。
あの子の事を忘れる。それはベッドにいた頃から決めていたことだ。会わなくなってから4年間、あの子のことを忘れることが出来なかった。どんなに楽しい高校生活を送っていても、この時期になると毎日のようにしつこく思い出させる。
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