1月30日 早朝の散歩

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 歩きながら、ベッドの上で考えていた方法について考える。忘れる方法、今まではあの子と関わらず、会おうとしない方法をとってきた。だが、この方法は全く効果がない。 「恋は時を忘れさせ、時は恋を忘れさせる」  ドイツのことわざだが、残念ながら私には定期的にあの子を思い出させるプログラミングが施されてるようだ。この方法以外に思いついた策、それはあの子とまた触れ合うことだ。とんだ迷惑な方法だと思うが、これはまだ試してない。  試してない、いや試せない方法。これをすれば引き返すことが出来ない。これは今まで私がやる事を自ら止めてた方法。これをすれば、あの子が傷つくかもしれない。そんな危険も孕んだ方法。私自身がよく分かっている。 「私がもう壊れていると」  方法は至極シンプル、前のケータイのあの子のメールアドレスにメールを送って返事を待つ。もう使ってなくても、それはそれで諦めもつく。ただし、もし返事が来てしまったら…… それを考えるのが怖い。その際、私は何て返事をすればいいのか、何がしたいのか分からない。  
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