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第1章 闇の中 神の光
某宗教の聖典では、この世の初めは、闇が全てだったという。そこで神は、光を生み出し、世界を創った。これが、今に至るまで伝えられる、世界創造である。
しかし、闇は光なくしても存在する。
光は、闇なくしては存在しない。
どちらも、見ることが出来ない点では一致している。
されど闇は、この世の初めからそこここにあった。光は、飽くまでも神の創り出した創造物である。
ならば
神がいなくなれば、
この世は闇に還るのだろうか?
闇から生まれたとある者が、そんなことを考えた。
その闇の申し子は、光の幼子と出逢い、世界を見つめる中で、この世の矛盾を知る。
そして誓った。
この世の歪んだ矛盾を正し、本来成るべき矛盾なき世界へと導くことを。
その誓いが
世界の歪みを深め
破壊せしめることも知らずに
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