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「はあっ!」賢者の腕が魔方陣を描き、杖から光が放たれる。
「嫌だあぁああああぁあああああああ」
絶叫と共に金色の光に包まれ、魔王は亜空間に消えていった。
魔王殿に静寂がやってきた。
「ふう」賢者が息を吐き、勇者と戦士の方を見た。
2人は困ったように、おびえたように賢者を見ている。
「もう心配はいりません。魔王が復活することはないでしょう。ついでに、勇者も現れることはなくなると思います」
「で・・・でも・・・」
「隠していたことはお詫びします。こうするしかなかったもので。魔王の攻撃を食らったときは死ぬかと思いましたが」
「これで、全て・・・終わり?なのか?」
「終わりです」
「お前はどうなるんだ?」
「どうなる、とは?」
「神の意向に逆らうことになったんじゃないのか?」
「そうですね、何か罰があるかもしれません。でも後悔はしていません。魔王の言う『呪い』を人間の手で断ち切ることができたんですから。神も認めてくれるかもしれませんよ」
賢者はフッと笑った。
「さあ、帰りましょう、元勇者さん」
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