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「キャアーーーーッッ!」
俺しかいない部屋でまたも夜の静寂を引き裂く女の絶叫。
それは自ら包丁で喉を突き刺して死んだ女の悲鳴らしい。
少し前にはビルの屋上から飛び降り自殺を図った男の悲鳴が俺の耳をつんざいた。
さらに前にはイジメを苦に線路に飛び込んで電車に撥ねられた中学生の絶叫……
どうしてこんな体質で生まれてきちまったんだ?
俺には死んだ直後の人間らの魂を呼び寄せて最後を見せられるという、何とも不可思議で疲弊させられる力がある。
これのせいで、どれだけの人間の死を見せられてきたか……そしてどれだけの死をこれから見せつけられるのか……
「……もういい加減にしてくれェェエ!」
俺の悲鳴が部屋中に響いた……
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