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「はい…」  穴が開きそうなほど、じっと、見つめられる。 「んだよ」  夕日が映り込んだ透明度の高い、澄んだ目で見つめられる。どうにも居心地が悪い。 「それだけでいいんですか?」 「いいよ」  平静を装う。 「…わかりました」    納得いかないようだが、これぐらいは付き合えよ… 「じゃあな!」  手をひらひらと振ると、目の前で顔をくしゃりと歪ませた。ヒタヒタに水を溜めた目から大粒の涙が零れ落ちる。堪える気もないのかよ…、頼むよ。 「なんだよ、どうした?」
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