それから姫は悲鳴をあげる

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相沢と佐藤のやり取りに、肩にかかる黒髪を揺らしながら長谷川千鶴(はせがわちづる)が加わる。 「そうよね。姫はめっちゃ変な声あげるよねぇ。この間も・・・」 「なんよ。笑わないでくれる?」 相沢は長谷川に文句を言いながらもノートパソコンに映る映像を凝視している。 「あぁ。すっごい気になる。最後なんでこんななの?この子」 長谷川が腰に手をあてて首をかしげる。 「さぁ?それより掃除の邪魔だから出て行ってよ」 「あぁ。うぅん。手伝う。手伝うよぉ」 相変わらず相沢はノートパソコンを凝視している。 「いや。姫は手伝わないでいいからさ」 声変わり前のような甲高い声を上げながら吉田薫(よしだかおる)が姫の言葉をさえぎる。 「え?なんで?」 「いや・・・あぁほら、それが気になるんでしょ?」 男子にしては小柄な吉田が相沢と並ぶと兄妹にみえる。 「そうなんだけどさぁ」 相沢の煮え切らない態度に佐藤が思いついたように割って入る。 「だったら、あいつらに頼めばいい」
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