終わりの始まり

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沙希【さき】はつい先月まで結婚を考えていた相手と交際をしていたが、相手が寄にも寄って同じ職場の友人と浮気をしていた。 頭に来たのでその友人と彼のデート先を尾行してから彼を思いっきり殴り飛ばして「勝手に馴れ合ってろばあぁぁかっ!」と捨て台詞を残して結局は破局。 その友人とも絶縁してやった。 それでもやはり浮気をされていたのは悔しいし悲しいしで友人と思っていたのに裏切られて… 信頼していたのに一気に裏切られるのは半端なくキツかった…。 「先輩…どうしました?」 誰にも自分の弱さを見せたくない沙希は極力職場では明るく振る舞っていた。 その明るさが逆に空元気だったらしく、直ぐに他の人達は誤魔化せても後輩の新木【あらき】君には見抜かれた。 「…よく私の変化に気が付いたね」 「そりゃそうですよ。オレ大学時代からずっと先輩を見てきたんスから」 まるで少年みたいに笑う彼に沙希は張り詰めていたものが一気に弾けて彼に失恋をした事から酷い裏切りを受けた事を洗いざらいぶちまけて泣いた。 ずっとうん。うん。と頷いて笑顔で話を聞いていた。
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