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五人組の男性アイドルグループ、ネナトウーラ。バラエティ受けもするキャラクターから、比較的好かれているアイドルグループだと思う。アニメ映画の舞台挨拶に出てきて、ちゃんと認識して悲鳴をあげてもらえる程度には。
「ちゃっとあんたなに、その感じ」
舞台挨拶も終わり、友達と入ったファミレス。本当ならここで感想でも言い合うところなのだが、残念ながら私はまだ起きた事態を処理できていなかった。
「いや、ちょっと……」
「あー、あんたアイドルが声優やるのとか、嫌いだもんね。でもリュウうまかったじゃん?」
確かにうまかった。予告映像から推測された声優はベテランが多かったし。
ただ、なんか、そういうことじゃないのだ。
友達との話も盛り上がりきらぬまま、家に帰る。友よ、ごめん。萌え語りはまた今度。
小さい頃から変わらぬ一軒家。都内住みの私は、大学生になった今でも実家暮らしだ。
それはさておき。
二階の自分の部屋に戻ると、カーテンをあける。隣の家、私の部屋の正面の部屋は電気が消えたままだ。くっ、まだ帰ってないか。そうだよな。
帰ってきたら連絡すること!
そう、あいつにLINEしてベッドに倒れ込んだ。
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